父の癌がわかり
病院へ通うようになってからの状況は
きょうだいには常に報告していて
見舞いの頻度は異なるものの
きょうだい皆が
同じ方向を向いていると思っていたのは
大きな勘違いでした。
家族で暮らしていた頃の
父と母の関係を見てきた
私たちきょうだいそれぞれに
父に対する わだかまりがある。
とても仲の良い家族だったけれど
父にもひとりの人間としての
様々な課題があって
私は早々に家を出て自由にしていたので
また違った付き合い方が
できていたのかもしれないけれど
母が亡くなる時まで近くにいた妹には
許せない何かがあったのかもしれない。
命の終わりを目の前にしながら
大切にしたい事を
理解しあえない事が悲しかったけれど
どちらが正しいとか間違いとかでなく
皆それぞれの世界があって
感じている事があって
正義があるんだという事を
思い知らされました。
それでも きょうだいの存在はとても心強くて
父が再入院してから
毎晩泣きながら夜中に目が覚めていたのが
きょうだいに会った日は
久しぶりに朝まで眠る事が出来て
束の間ほっとできた事を覚えています。
足が動かなくなり再入院した父は
その後腰のあたりに転移した癌が見つかり
本人の意思で放射線治療を行いました。
治療が辛いなら辞めようと 何度も伝えそうになったけれど
辞める事は命を諦める事になるのではないか と思い
何も言えず付き添う事しかできませんでした。